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Tシャツの縫い方(手縫い)詳しい手順 [ソーイングのヒント]

手縫いの良いところは
・ミシンが要らない
・静かなので夜中でも縫える
・縫い代が裁ちっぱなしなので肌に触った感じが優しい

「縫い代がチクチクする」という話をよく聞きますが
ニットの布端なんか痛くありません。
痛いのは固く締まったロック糸です。

私の縫い方はニットの布端は始末しません。
下着用のゆるく編んだものだとほつれてきますが
普通のTシャツ生地は切りっぱなして大丈夫です。

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ひと口に手縫いといっても色々な縫い方があります。
ここでは、そこを縫うのに向いている縫い方を並列しますので
お好みのものを選んでください。

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<縫い方>
【重要】なみ縫い:家庭科で最初に習う普通の運針。
【重要】半返し縫い:バックステッチ、もしくはアウトラインステッチに似た伸縮性のある縫い方。
      注意!「本返し縫い」は使ってはいけない。
      よく似ているが、本返し縫いは伸縮性がないので、強く引っ張ると布が切れる。

      参考サイト:「本返し縫い・半返し縫い」楽しむキルトノート
      http://tanosimu.biz/paxtutikiso/kaesinui2.html

(備考)星止め:半返し縫いの一種で、表に出る糸目が星に見えるほど小さい。
 補足 たてまつり:一般的なまつり縫い。
 補足 千鳥ぐけ:まつり縫いの一種で、ジグザグミシンのように左右に振りながら縫う。
     正式には糸をクロスさせて縫うが
     Tシャツを縫う場合に限り、クロスさせなくともよい。

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<裁断>
袖口と裾の仕上げ、二つ折りと三つ折りがある。

・二つ折り仕上げ・点線で裁断
二つ折りは裏側の見た目がよくないが、簡単に仕上げたいときに向く。
伸びる糸:なみ縫い、星止め、千鳥ぐけ。
伸びない糸:星止め、千鳥ぐけ。
不可:たてまつりは布を抑える力が弱いので縫い目から伝線する不安がある。

・三つ折り仕上げ・実線で裁断
三つ折りは見た目は良いが、布が厚く、針が進まずに苦労する。
伸びる糸:なみ縫い、星止め、千鳥ぐけ、たてまつり。
伸びない糸:星止め、千鳥ぐけ、たてまつり。

<合印>
裁断後、袖付けの合印が必要なら水で消えるマーカーで合印をつける。
身頃は表側、袖は裏側につけると縫いながら合わせるのに便利。
ノッチ(2ミリ程度の小さな刻み目)でもよい

<アイロン>
・前身頃の肩に伸び止めテープを貼る
・袖と裾のあげに折りクセをつける
・えり布を半幅に折り、円形にクセを付ける

< 袖口の始末>
袖口をあげる。
二つ折り、または三つ折り。
縫い方は上記参照。

半袖の袖口は普通糸切れしないところだが、袖下の短い「ちび袖」だと後ろ脇の下あたりが糸切れしやすい。
ここだけは伸びる糸でもなみ縫いは避け、たてまつり、星止め、千鳥ぐけなどで縫う。

<肩>
肩を縫い合わせる。
糸共通:なみ縫い
好みで、縫い代を後ろに倒してなみ縫いで押さえる。
押さえない時は、伸び止めテープが剥がれてヒラヒラするのを防ぐため、縫い目線から5ミリ離し、縫い代と伸び止めテープを合わせてなみ縫いで縫う。

<衿>
えり布と身頃に合印を付ける。
布の伸び具合は生地によって違う。
実際に合わせて印を付けると失敗がない。

◆仕上がりと同じ形にアイロン台に留める。
前後の身頃を表を外に中心線で折ってアイロン台にピンでとめる。
ピンをV字に刺すと布が動かなくなる。
半幅に折ったえり布を前中心で半分に折り、えりぐりの前中心に合わせて置き、ピンでとめる。
縫い上がったときにえり布が立ち上がらないよう、えり布の内周が平らになるように置く。

◆えり布のカーブ。
肩線付近はカーブがきついため、えり布と身頃は少し離れ、隙間があく。
後ろ中心あたりは平らなので、内周と外周の差がないため、そのまま付けるとゆるんでしまう。
全体の引き具合と揃うようにえり布を引き伸ばす。

◆布の伸び具合。
ピンを留め終った時、えり布の内周に浮きがなく、外周が軽くめくれているくらいがよい。
身頃とえり布の距離は生地によって違う。
・ゆるい生地なら全体が少し離れている。
・普通の生地は布端が接している。
・固い生地は縫い代がわずかに重なっている。

◆えり布を輪に縫う。
えり布の後ろ中心に縫い代を1cmつけ、余分を裁ち落す。
えり布を輪に縫って縫い代を開き、半幅に折る。
糸共通:なみ縫い

◆えり布と身頃とを縫い合わせる。
糸共通:半返し縫い

注意点:縫い代のほうが気持ち狭くなるように縫う(理由は後述)
    えりあきが狭い時、あまり糸をきっちり引くと後で頭が入らなくなる。
    頭囲はおよそ60cmなので、それが通るくらいに手加減する。

◆えりの縫い代は押さえなくてよい。
手縫いで衿の縫い代に整然としたステッチをかけるのは難しい。
縫い代を抑えないでおくと、縫い代が自然に上に折り返り、えり布がふっくらして見えるので、これはこれで悪い仕上がりではない。
このとき、縫い代がえりから出ないように、縫い代の方を狭く縫っておく。

◆縫い代を抑える場合
身頃側に倒して縫い代を抑える。
糸共通:星止め、千鳥ぐけ
刺繍糸やビーズを使って飾り縫いにするのも良い方法。
注意:縫い目に凝って衿の伸縮性を損なわないよう気をつける。

<袖>
袖付けを縫い合わせる
伸びる糸:なみ縫い
伸びない糸:半返し
肩山の前後7センチくらいは布が引かれて縫い目が開くので、針目が大きいと縫い目が緩む。
針目を気持ち細かくし、なみ縫いの場合は袖山で一度返し縫いを入れるとよい。

好みで、縫い代を身頃側に倒して押さえる。
伸びる糸:なみ縫い
伸びない糸:星止め

注意:Tシャツの袖付けの縫い代を倒す方向
ステッチで押さえる時:身頃側に倒す
押さえない時:袖側に倒す

<脇>
裾から袖口に向かって縫い合わせる。
伸びる糸:なみ縫い
伸びない糸:半返し

袖口の縫い代を後ろに倒して押さえる。
糸共通:返し縫い2.3目。

<裾>
脇の縫い代を後ろに倒して裾を上げる。
二つ折り、または三つ折り。
縫い方は上記参照。

裾上げは糸切れが多い。
逃げ回る子供を捕まえるなどの無理な力がかかると、伸びる糸でも「なみ縫い」は糸切れする。
・たてまつり、星止め、千鳥ぐけにすると切れにくくなる。
・それでも切れるときは糸を2本取りにする。
  布より糸の方が強くなると布に穴が開くので注意。
・糸を2本取りにしてチェーンステッチをすると布も傷まず滅多なことでは切れなくなる。
  脱ぎ着の時に少し邪魔になるが、着られないことはない。
・本当に丈夫にしたいときは縫い代に伸び止めテープを貼る。

<アイロン>
縫い目にアイロンをかけて糸を落ち着かせる。


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